駐車場の空きの問題が深刻化して
1、機械式駐車場の無駄遣いが深刻化しています。
2、其の赤字が修繕積立金を食いつぶしています。
3、「空き」が老朽化を加速させ不良資産化します。
4、駐車場平置き化工事会社を選ぶ際、数社の相見積もりをやっていない!

 

左記の理由で機械式駐車場を平置き式にする大きな流れになってきていますが、問題は、専門工事会社の情報が少なく工事会社の選定を関係会社に任せてしまって、その工事会社の信用力を確認せず、相見積もりすらやっていないケースが多い事です。また、平置き化工事専門の工事会社は少なく、なかなか信頼のおける会社を捜せないのが現状です。
そのため、競争原理が全く働いていないので、管理組合は多くの損失を受けています。新聞読者からのご要望にお応えして、信頼性のある「駐車場、平置き転換工事会社」を紹介サービスを始めます。ひも付きの工事会社との相見積もりを必ず実施してください。

機械式駐車場の落とし穴!

機械式駐車場の落とし穴!

これまで駐車場にかかる経費について顧みなかった管理組合が10年目で懸案事項として立ち止まって考え、分譲からかかった費用、これからかかる費用を試算した内容を紹介します。

◆マンションデータ
2005年竣工・2棟・90戸
3段昇降式(地上1階・地下2階)機械式駐車場装置30基(全90台収容)
駐車場使用料(月額)
上段12,000円、中段10,000円、下段8,000円
年間の収入→
平均10,000円/台×12カ月×90台=1,080万円
※ ただし現在、駐車場の専用会計はなく、使用料収入は管理費(一般)会計に40%、積立金会計に60%を充当している。

◆メンテンス契約の形態
・〈現行〉フルメンテナンス(FM)契約(現場点検は年4回)月々の定額料金に交換部品代、修理費用を含んだ契約
年間の支出→
1基(3台分)60,000円/年×30基=180万円
・〈 参考例〉POG(パーツ・オイル・グリル)契約(現場点検は年4回)劣化した交換部品代、修理費用は含まない契約
年間の支出→1基(3台分)24,000円/年×30基=72万円

〈表1〉では分譲時からの長期保全計画により、維持管理・修繕費用が1基3台でどのくらいかかるのかを試算しています。30年間で合計1基につき、約476万円かかり、90台では1億4,283万円かかることになる計算です。
これをもとに〈表2〉で30年間の収支予想をしてみました。収入は駐車場使用料が合計3億2,400万円で、ここからフルメンテンナンス契約、維持・修繕費、更新(建替え)費用の合計(3億3,291万円)を差し引くと891万円の赤字となります。
フルメンテンナンス契約からPOG契約に切り替えた場合、ケースによっては収支がトントンとなることも考えられますが、大きな問題があります。
駐車場専門の会計システムがないため、使用料収入は管理費会計と積立金会計に充当されています。建物や設備の長期修繕計画に機械式駐車場の項目があれば積立金会計からまかなえますが、なければ実際には3億2,400万円の収入額は0円ということになるのです。
積立金会計からの借り入れは必須となることでしょう。
メンテナンス費、維持管理費、更新費とその出処がどこにあるのかを把握する必要があるでしょう。ヒントは必ず会計報告の数字の中にあります。
<取材協力・㈱桐ケ谷工業所>
●問い合わせ先
一般社団法人 全国建物調査診断センター「駐車場リノベーション機構」
TEL:03−6304−0278 FAX:03−6304−0279
E-mail:info@zenken-center.com
URL://www.parking-renovation.com
(大規模修繕工事新聞 2016-01 No.73)

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