固定ページtitle690-50-4

 

 

701戸の大型マンションに設置された4段の昇降横行型、605台分の機械式駐車場。モーター、落下防止装置、揺れ止めのワイヤー等、1カ所の故障があると25 ~ 30台の車の出し入れができなくなってしまう、そんな故障が目立つようになってきた。

故障のたびに機械が止まるストレスのほか、ワンボックスやミニバンが駐車できない車両制限もあり、駐車場利用率の低下という問題も出ている。
さらに、今後20年このまま使用続けることを考えると、毎月のメンテナンスや建て替え費用で20億~ 30億円かかり、駐車場使用料を2~3倍値上げしなければならないこともわかってきた。そこで、思い切って機械式駐車場を撤去し、立体型自走式駐車場を建設しようというプランが立ち上った。

平置きは24台から32台に増加予定

だが実は、この大掛かりなプランを成立させた裏側には管理組合としての「目覚め」があったのである。管理棟の所有をめぐる分譲主との折衝と和解、管理組合の法人化、2回にわたる管理会社変更、役員選出方法の変更などを経て、理事会が成熟。理事長は「過去の清算をし、これから将来の管理組合の構築のはじまりが駐車場の建て替えなのです」と話す。
今回の駐車場の大工事は、総工費約11億円。修繕積立金を使い切ることができないため、60%を借入する。しかし、それだけしなければ今後の支出がさらに膨大になる。

管理組合は2011年総会で、これまで管理費会計に入れていた駐車場使用料を独立会計とし、借入金の返済やメンテナンス費用にあてていくこととした。
さらに駐車場建て替えには、もうひとつ重要なポイントがある。撤去する機械式駐車場はAブロック345台、Bブロック260台の2か所。工事の際は、これだけの仮駐車場が必要だ。

このための仮駐車場をマンションから車で15分のところにある市の土地を借りることができた。管理組合負担でシャトルバスを日に往復40本運行。さらに仮駐車場代も管理組合の負担とした。「この土地があったために大工事の決断ができた」と理事長。「利用者はたいへんだが、この管理組合の対応で不便を我慢してくださいと言っている」。

こうした不便が通るのも、管理組合の「目覚め」があったからこそ。草むしりや自転車整理をする「住環境改善委員会」、管理組合と自治会の連携組織「コミュニティー形成協議会」が立ち上がってきている。駐車場建設は、理事長の言う「管理組合の構築のはじまり」の象徴である。

工事データ
○工事名/機械式駐車場撤去・自走式駐車場建設工事 ○建物概要/ 1998(平成10)年竣工・地上14階建て・5棟・総戸数701戸
○発注者/Iマンション管理組合法人 ○施工者/㈱伊勝 ○主な工事内容/共用仮設(工事事務所、資材置き場等の設置)/インフラ整備/仮駐車場整備/機械式駐車場解体/山留、H銅打設/掘削/基礎擁壁/自走式駐車場本体工事等 ○工期/平成25年4月~平成26年8月(予定)
○駐車場充足率(台数÷総戸数)既 存:701戸に対して701台=100%(機械式677台、平置き24台)工事後:701戸に対して632台=約90%(自走式582台、機械式72台、平置き32台)工事後の駐車場使用料(月額):自走式1、2階10,500円、3階8,500円、4階7,500円、機械式上段10,500円、ピット2・3段目8,000円、平置き10,500円

(大規模修繕工事新聞 2014-1.5 No.49)

工事前、既存の機械式駐車場
工事前、既存の機械式駐車場

 

 

施工中、機械式駐車場を解体・撤去
施工中、機械式駐車場を解体・撤去

 

 

 

 

 

 

 

600台の機械式駐車場を撤去自走式建設の大規模工事を実施
Tagged on:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA